雷乃収声 空(くう)

大学の先生でもあった宮沢章夫さんが亡くなった。1回生のとき必修科目でもあった宮沢さんの講義の印象は一言で言えば楽しいクラス。ときどきふっと同じ土台におりて話してくれる、飾り気のない時間は方々触発を生む時間だったのではないかと思う。
同期が昼休みに朗読をしようと言い出してもふらっとやって来てくれる、そんな普通に喋ってくれる先生に「君の声がいい」と言われたことは手放せない。
「声」にコンプレックスのある学生だった。たぶん本当に些細な会話で自分の声を嫌煙するようになった。それなのに気づけば舞台上で声を出し歌を歌ったこともある。まったく不可思議です人生。
全てに育まれた、全てから授かっている。例えば自信や誇りもそう、自ら生成することもあるだろうけど、授かりものだと思っている。宮沢さんが太田省吾さんに呼ばれたからこの大学に来たと嬉しそうに話されていたことも懐かしい。
全てもまた育まれたということ。
雷は声を潜め、稲妻になるらしい。彼岸花はきっちりお彼岸に合わせて静々と咲き、わたしは宮沢さんの脳裏にある声を再生する。
「みんな、なんで生きてるんだと思う?
たぶんなんとなく生きてるんだよな」
先生、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

ғɪʟʟᴇ ᴇᴛ ᴄʜᴀᴛ

ᴅᴀɴᴄᴇʀ/ᴘᴀɪɴᴛᴇʀ/ʏᴏɢᴀ ɪɴsᴛʀᴜᴄᴛᴏʀ ɪɴᴛʀᴏᴅᴜᴄɪɴɢ ᴛʜᴇ ᴀᴄᴛɪᴠɪᴛɪᴇs ᴏғ ᴋʏᴏᴋᴏ ɴᴏʙᴜᴄʜɪ.

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